なめとったで証明写真

写真というのはシャッターを押せば老若男女誰でも撮れるものである。

初めてカメラマンとして訪れたバイト先、証明写真の撮影。
撮影方法といえば座っているお客様を三脚の付いたカメラで撮影する。
ただそれだけである、まさにシャッターを押すだけ。
最初はそう感じていた。
「これなら別にカメラ経験がなくても行けるじゃん」
そう思ってた。
確かに、同じバイト仲間の中には全然カメラを触ったことのないものもいる。

そんな中、まずはスタッフで撮影の練習。
先も書いたように、定時内はお客様でいっぱい、練習は定時後無給で行うのである。

カシャ、カシャ

私としては可もなく不可もなく普通にシャッターを押した。
フレーム切れを起こすわけないし、設定値が決まってるため露出を外すこともない。
ところが……
「まっすぐじゃないねぇ……」
先輩スタッフ(余裕で年下)はそう言い放った。

まっすぐじゃない?

その先輩曰く、顔が左を向いている、真正面を向いていない、というのだ。
最初は意味が分からなかった。
被写体は真ん前に座って、正面からこちらを向いているのだから、そんなもん自然に正面になると思っていた。

自分の撮った写真を見る事、数十秒。
最初は全くわからなかったが、ほんとだ、よく見ると左を向いている。

カシャ、カシャ

それから、しばらく撮ってみたが、なかなかばっちり正面にならない。
参った、難しい……

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